制作物の用途によって色域や見え方が変わります
イラストや写真などの画像は、使用条件によって色表現の幅が違い、見る人や環境によっても見え方が変わってきます。
また、画像を、Web素材などディスプレイ上でご使用になるのか、印刷物にご使用になるのか…により、制作する画像に再現出来る色域(色の範囲)が違います。
Web用には、ディスプレイに表示出来る色域に適した「RGB」というカラーモード(色の再現方法)があり、印刷物には同じく適した「CMYK」というカラーモードがあります。制作開始段階で、これらを踏まえてとりかかるのが好ましいです。
さらには、ビットマップ画像を印刷物に使用する場合には適切な画像解像度が必要です。
色彩の表現方法には大きく2種類あり、デジタルカメラで撮影したりパソコンのディスプレイで見る場合の色域はRGBと呼ばれ、光の三原色(R…Red G…Green B…Blue)の発光で色を表現、ウェブページでは16進数で表記し、特にブラウザやプラットフォーム(OS)等の環境に左右されない216色をWebセーフカラーと呼びます。
対して印刷物は、主にCMYK(C…シアン M…マゼンタ Y…イエロー K…ブラック)の4色のインクを使い、光の反射によって色を表現、CMYKで表現できない色を特色(スポットカラー)という色で補います。注意すべきは、RGBに比べてCMYKで表現できる色域はかなり狭いという事です。例えば、RGB表現のデジタル写真をモニター画面上で御覧になられた後に印刷してみると少し違う…ということもあるかも知れません。
そこで印刷物に対しては最初からCMYKの色域内での制作をするのです。その為、加工する前にモニターで見ていた写真素材が、印刷物としての加工制作の後に色が変わったと感じられることがあるかも知れませんが、それはRGBとCMYKの色域の差であります。
RGB
Web用などディスプレイに表示して使用する画像は、RGBというカラーモードで制作します。R(Red)・G(Green)・B(blue)は「光(色光)の三原色」です。
RGB全ての値が0%の場合に黒となり、全ての値が100%で白になります。ディスプレイの初期画面が黒いこと、赤・緑・青のLEDによって白色が作り出されることからイメージしやすいかと思います。理論上、人の視覚で認識できるすべての色を再現出来ると言われています。
CMYK
印刷物に使用する画像は、CMYKというカラーモードで制作します。C(cyan)・M(magenta)・Y(yellow)・K(Key)は「色(色料)の三原色+K(黒)」です。
CMYK全てが0%の場合に無色(白ではない)となります。例えば何も描いていない紙が地の色であり、白い紙なら白になります。
CMYの3つが100%の場合に不完全な(濁った)黒、Kが100%の場合に(またはK100%に適切な割合のCMYを加えた場合に)完全な黒となります。
印刷のインクやトナーはCMYKの4色が基本となっています。RGBに比べ再現できる色域は狭く、少しトーンが下がったようになることもあります。
また、Web上でのご使用の場合には、モニター環境により若干色調などが変わって見える場合があり、印刷物の場合は印刷対象の紙・繊維等の色や素材によっても変わることがあります。
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