ジャッキー・チェン出演映画1970年代

ドランクモンキー 酔拳ジャッキー・チェン出演映画年表
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中国戯劇学院閉鎖後、スタントマンや端役の下積み時代へ

侠女

上映時間187分という世界各国の映画祭を総なめにしたキン・フーの超大作。ジャッキーはサモ・ハン、ユンピョウらとスタントマンとして参加。

Touch of Zen/1971年/香港/インターナショナル・フィルム/日本劇場未公開

製作総指揮:シャ・ロンフェン 製作:ユン・サイヒン 監督/脚本/美術:キン・フー 原案:プー・ソンリン 撮影:ワー・ワイイン 美術:チャン・シュンラム 音楽:ン・ダイコン

キャスト:シュー・フォン/シー・チュン/ロイ・チャオ/パイ・イン/ティン・パン/ハン・インチェ/シュエ・ホン/マン・チュンサン/ツォウ・キン/コク・リーヤン

レディ・ブレイド

ブルースー・リーの恋人役として有名なノラ・ミャオ主演の女剣士武侠アクション。ジャッキーにとってはゴールデン・ハーベスト初出演作品。後に多くの確執があり、また“成龍”の名付け親ともなる監督のロー・ウェイと初顔合わせ。

刀不留人/The Blade Spears None/1971年/ゴールデン・ハーベスト/日本未公開

監督:イエ・ロンツ

キャスト:ノラ・ミャオ/ジェームズ・ティエン/パトリック・ツェー/チャン・チュン

ドラゴン怒りの鉄拳

実話を元にしたといわれ、後に幾度とリメイクされた傑作。ジャッキーはスタントマンやエキストラとして出演し、リーはジャッキーのスタントを大絶賛したらしいです。ジャッキーは後にこの映画の続編の主役に抜擢されます。
ジェット・リーもこの作品をリメイクしており(フィスト・オブ・レジェンド 精武英雄
)、それはジェット・リー自身が最も満足している1本のようです。

精武門/Fist of Fury/1972年/ゴールデン・ハーベスト/1974年7月20日東宝東和配給

製作総指揮:レイモンド・チョウ 製作/監督/脚本:ロー・ウェイ 撮影:チェン・チンチュー 美術:チェン・シン 音楽:ジョセフ・クー 衣装:チェン・コクハン

キャスト:ブルース・リー/ノラ・ミャオ/ロバート・ベイカー/マリア・イー/ティエン・ファン/ジェームズ・ティエン/トニー・リュー/リー・シン/チン・サン/フォン・ガイ/ガイ・ピンゴー/ロー・ウェイ/ウォン・チュンシュン/勝村淳/橋本力

タイガー・プロジェクト ドラゴンへの道 序章(燃えよジャッキー拳)

ジャッキー初主演作品なのですが、画質悪く、面白くもなく、最後まで気合入れて見ることが出来ません(泣)

廣東小老虎/The Little Tiger of Canton/1971年/スーン・リー・フィルム/日本劇場未公開

製作総指揮:リー・ロンクァン 製作:フイ・ファット 監督:ガイ・ホイフン 脚本:ラウ・キン 撮影:ウォン・コクナン 音楽:チェン・ヤンゴー

キャスト:ジャッキー・チェン/チェン・ハンリー/スー・ペイペイ/ティエン・ファン/ホン・コクフォン/タイ・サン/クアン・チュン/マー・キムトン/ホイ・ガム

鐵娃

女性版「ドラゴン怒りの鉄拳」。ジャッキーは冒頭でユン・ワーら中国戯劇学院の仲間と端役で出てるとか。宍戸錠さんが出てる!?

Kung Fu Girl/The Heroine/Not But The Brave/1971年/ゴールデン・ハーベスト/日本未公開

監督:ロー・ウェイ

キャスト:チェン・ペイペイ/ジェームズ・ティエン/ガム・グワン/ジャッキー・チェン/ユン・ケイ/ユン・ワー/ウー・ミンツァイ/チェン・ルン/スン・ラン/ロー・ウェイ/ハン・インチェ/宍戸錠/染野行雄

ドラゴンファイター(ジャッキー・チェンのヤング・タイガー)

ジャッキーは顔にマジックで書いたような“ほくろ”のある、変な悪役。こんな映画をジャッキーの名でリリースするなんて・・・。
それでも、アクション的にはジャッキーらしい動きを見せているのと、「五福星」のハンサム役チャーリー・チンや「カンフーハッスル」のユン・チウ(カン・チアフォン)が共演しているのが、救いかも。この手の作品は、そういう見方をするしか楽しめないと思います。

女警察/日可出馬/師哥出馬/Police Woman/The Heroine/1972年/グレート・アース・フィルム/日本劇場未公開

製作総指揮:ホイ・リン 監督/脚本:チェン・チー 撮影:ガイ・ホイフン 音楽:チョウ・フッリョン

キャスト:チャーリー・チン/ジャッキー・チェン/ジョン・チェン/ウー・ガム/チャン・ナン/リー・マンタイ/ヘレナ・ロウ・ラン/フォン・ガイ/チュー・ムー/カン・チアフォン

女活殺拳

ブルース・リー「燃えよドラゴン」の妹役アンジェラ・マオの主演作。この頃によくあるパターンで日本人が悪役。ジャッキーはスタントや端役。

合氣道/Hap Ki Do/1972年/ゴールデン・ハーベスト/1974年6月29日東宝東和配給

監督:ファン・フェン

キャスト:アンジェラ・マオ/カーター・ワン/サモ・ハン・キンポー/パイ・イン/ブルース・リャン/ラム・チェンイン

除覇

マスター・ユエンことユエン・ウーピン武術指導のレア作品…らしいです。

Fist to Fist/Fists of the Double K/1973年/日本未公開

武術指導:ユエン・ウーピン/ユエン・チュンヤン

キャスト:ユー・ヤン/ファン・チュン・スン/リリー・チャン/ユアン・シャオ・ティエン

麒麟掌

これまた昔の香港映画にありがちな、ブルース・リーの盗撮映像を未許可で挿入したという問題作。ジャッキーはスタントや端役らしいです。出演者だけを見ると興味深いのですが…。

獨覇拳王/Fist of Unicorn/The Unicorn Parm/1973年/スターシー・フィルムズ/日本未公開

監督/脚本:トン・ディ 撮影:ウェイ・ハイフェン

キャスト:ユニコーン・チェン/モン・チュウ/ウォン・インシック/倉田保昭/ジン・ディ/ウェイ・ピンアオ/マース/アレクサンダー

空手ヘラクレス

チャーリー・チャン主演映画。「燃えよドラゴン」や「Gメン’75」で一躍有名になったボディ・ビルダー、ヤン・スエが出演。ジャッキー、ユンピョウらが端役で参加。

碼頭龍虎闘/Chinese Herculies/1973年/カイ・ファ・フィルム/1974年12月5日コロムビア配給

監督:チョイ・タク

キャスト:チャーリー・チャン/ヤン・スエ/ファン・イエ/ファン・チュン・スン/ジン・ディ/チャン・タオ

ファイティング・マスター(ファイティング・モンキー 昇龍拳)

これもジャッキー主役じゃないので要注意!この頃の映画にありがちな反日精神から、日本人がかなり残虐な悪として描かれていて、その上、画質の悪さと暗さとつまらなさで・・・ジャッキーが死ぬところまでは何とか観れても、最後まで見ることが出来ません。

順天立地/Not Scared to Die/Eagle’s Shadow Fist/1973年/グレート・アース・フィルム/日本劇場未公開

製作総指揮:カイ・ニン 製作:ツィー・チンディン 監督:ジュー・ムウ/チェン・チー 脚本:ソ・ラーム 撮影:ガイ・ホイフン 音楽:ン・ダイコン

キャスト:ジャッキー・チェン/ワン・チン/カン・チアフォン/サム・チーワー/コク・リーヤン/リー・マンタイ/チュイ・ヒンチュン/チャン・サウ/ヤム・ホー/ラム・サウ

燃えよドラゴン

ブルース・リーの遺作であり、最高傑作。ブームも相まって、何度見たことか・・・。ヌンチャク捌きと、鏡の部屋のシーンが印象的です。

冒頭の武術大会では、サモ・ハンが堂々とリーにやられています。ジャッキーも、リーを背後から捕まえて首を折られる役で出演。ユン・ピョウもエキストラで。3人ともノークレジット。当然ですが、若いです。
また、ユン・ワーが、特にアクロバティックなシーンでのリーの代役をやっているようです。

龍争虎門/Enter The Dragon/The Deadly Three/1973年/コンコルド・プロダクションズ&ワーナー・ブラザーズ&セコイア・プロダクションズ/1973年12月22日ワーナー配給

製作:フレッド・ワイントローブ/ポール・M・ヘラー 監督:ロバート・クローズ 脚本:マイケル・オーリン 撮影:ギルバート・ハッブス 美術:ジェームズ・ウォン 音楽:ラロ・シフリン 衣装:ルイス・シェン

キャスト:ブルース・リー/ジョン・サクソン/アーナ・カプリ/ベティ・チュン/ジム・ケリー/シー・キエン/アンジェラ・マオ/コク・リーヤン/ロイ・チャオ/サモ・ハン・キンポー

四王一后

マニアには珍作として知られるイタリアとの合作映画。スパイアクション風香港版スーパーマン…だとか。ジャッキーは端役で出演。

SUPERMAN Against The Orient/1974年/ショー・ブラザーズ/日本未公開

監督/脚本:ビットー・アルベニティーニ 製作:ラン・ラン・ショー

キャスト:ロバート・マルコム/ロー・リエ/シー・ズー

金瓶梅

原作は作者不明の中国古典エロス文学。ジャッキーは殺されてしまう端役ですがセリフはあり。日本公開ジャッキー出演作品で唯一の18禁!

金瓶雙艶/The Golden Lotus/1974年/ショー・ブラザーズ/1976年1月24日日本ヘラルド配給

監督/脚本:リー・ハンシャン 音楽:チェン・コンユー

キャスト:ピーター・K・ヤント/フー・ジン/タニー/ティエン・チン/チャン・ナン/ワン・ライ

忠烈図

凶悪な倭寇に立ち向かう7人の勇者たちの活躍を描くキン・フーの時代劇アクション。白塗りメイクのサモ・ハンが倭寇の首領に扮しており、ジャッキー作品でお馴染みのマースやユンピョウも出演。ジャッキーはスタントマンとしての参加のようです。

忠烈圖/The Valiant Ones/1975年/キン・フー・フィルム/日本劇場未公開

監督/製作/脚本:キン・フー 撮影:チェン・チン・チュー 武術指導:サモ・ハン・キンポー

キャスト:シュー・フォン/パイ・イン/ロイ・チャオ/ウン・ミン・チョイ/ユエン・シャオ・ティエン/サモ・ハン・キンポー/ユン・ピョウ/マース

ザ・ヒマラヤン(レディ・クンフー 密宗聖拳)

チベットカンフーアクション。ジャッキーは端役で一瞬の出演。

密宗聖手/The Himalayan/1975年/ゴールデン・ハーベスト/日本未公開

監督:ファン・フェン 製作:レイモンド・チョウ 武術指導:ハン・イエンチェ

キャスト:アンジェラ・マオ/レオン・タン/チェン・シン/クッァン・サン/サモ・ハン・キンポー/ハン・イエンチェ

花飛満城春

ジャッキーファン禁断の一本!

All in The Family/1975年/ゴールデン・ハーベスト/日本未公開

監督:ジュー・ムー 脚本:シーマー・ハック 製作:レイモンド・チョウ

キャスト:タニー/ディーン・セキ/ラウ・ヤッファン

拍案驚奇

ジャッキーファン禁断の作品もう一本!!

No End of Surprize/1975年/ゴールデン・ハーベスト/日本未公開

監督:ジュー・ムー 脚本:シーマー・ハック 製作:レイモンド・チョウ

キャスト:タニー/ディーン・セキ/ラウ・ヤッファン/ヤムヤム・ショウ

ブルース・リーの代わりではない、自分らしさを追い求めた

ジャッキー・チェンの秘龍拳/少林門

あのジョン・ウーの監督デビュー作品で、しかも、実はジャッキーとサモ・ハン、ユンピョウが初めて競演した記念すべき作品です。
ジャッキーは主役ではないけれど、隠れた名作かもしれません。いろんな人の若かりし頃がうかがえるので、そういう見方をしたほうが面白いかもしれません。

少林門/The Hand of Death/Countdown in Kung Fu/Countdown in Death/Shaolin Men/1976年/ゴールデン・ハーベスト/日本劇場未公開

監督/脚本:ジョン・ウー 製作:レイモンド・チョウ/ペン・チェン 武術指導/出演:サモ・ハン・キンポー 撮影:リャン・ユンチー 音楽:ジョセフ・クー

キャスト:ドリアン・タン/ジェームズ・ティエン/ジャッキー・チェン/ジョン・ウー/チュー・チン/ヤン・ワイ/ウィルソン・トン/ガム・ケイチュー/コー・キェン/ユン・ピョウ/ユン・ワー/リン・コクミン

レッド・ドラゴン(新・ドラゴン怒りの鉄拳)

ジャッキー主演のロー・ウェイ監督映画第1作目。「ドラゴン怒りの鉄拳」の続編で、ジャッキーはブルース・リーが演じていたチェンの弟という設定。なので、やはりジャッキーらしくはないです。しかしこの頃は、反日精神からか、悪役が日本人なのが多いです。この作品から、芸名を「成龍」と改めました。

新精武門/New Fist of Fury/1976年/羅維影業公司(ロー・ウェイ・カンパニー)/日本劇場未公開

製作総指揮/監督/脚本:ロー・ウェイ 脚本:パン・レイ 製作:シュー・リーホァ 武術指導:ハン・インチー 撮影:チェン・ロンシュー/チェン・シュウユン/チャン・チュンユエン 美術:パン・ワーマウ 音楽:フランキー・チャン 衣装:チュン・マンフー

キャスト:ジャッキー・チェン/ノラ・ミャオ/リュウ・イーロン/チェン・シウシウ/チャン・ジン/シュン・サンチェン/リュー・ピン/ハン・インチェ/チャン・シン/ホン・シュー/シー・ティンケン/ウェン・シャオフー/ロー・ウェイ/イプ・ホイチン/ラム・チュン/チャン・ジャン

少林寺木人拳

この映画は日本では「酔拳」「蛇拳」などでジャッキー人気に火が点いた後に公開されたので、初めて一重まぶたのジャッキーを見てショックを受けた人も多かったみたいです。整形かそうでないかはハッキリしていないですが、昔、奥二重だった人が二重になったという例は多々あります。しかし、ロー・ウェイがジャッキーの顔を気に入ってなかったことは確かなようです。
映画は興行的には失敗したようですが、“木人”はかなり話題になりました。学校へ行くとみんなが木人になっている・・・といった感じ。後には格闘ゲームのキャラクターにも起用されるくらい。テレビ放映の影響のほうが大きいように思います。
ジャッキーらしいコミカルなアクションを発揮する以前の映画なので、ストーリーはシリアス。おまけにジャッキーは最後の最後まで、しゃべれないという役。それでもこの映画のファンが多いというのは、“木人”人気とこの映画のオリジナリティからでしょうか。

少林木人巷/Shaolin Wooden Men/36 Wooden Men/Shaolin Chamber of Death/Young Tiger’s Revevge/1976年/香港/羅維影業公司(ロー・ウェイ・カンパニー)/1981年2月12日東映セントラルフィルム配給

製作総指揮:ロー・ウェイ 監督:チェン・チーホワ/ロー・ウェイ 脚本:チェン・チーホワ 武術指導:リー・ミンウェン 主演/武術指導:ジャッキー・チェン

キャスト:クム・カン/サイモン・ユエン/ロン・チュンアー/ジャン・ジン/ミャオ・ティエン/ルー・ピン/ユン・ピョウ

ファイナルドラゴン(キラードラゴン 流星拳)

ジミー・ウォングとの競演。やっぱりジャッキーに悪役は似合わないです。

風・雨・雙流星/Killer Meteor/1976年/羅維影業公司(ロー・ウェイ・カンパニー)/日本劇場未公開

製作総指揮:ロー・ウェイ 製作:スー・リーホァ 監督:ジミー・ウォング 脚本:クー・ルン 武術指導/出演:ジャッキー・チェン 撮影:チャン・チンリャン/チャン・チュンユエン 美術:チョウ・チーリャン 音楽:チョウ・フッリョン 衣装:リー・ガイワン

キャスト:ジミー・ウォング/ジャッキー・チェン/ジュエ・リンロン/リー・マンタイ/マー・チェン/フィリップ・コー/マー・ケイ/チェン・ホイロウ/リー・ケン/ウェン・シャオフー/シュエ・ホン/ラン・ユーリー/ユー・リンルン

成龍拳

やはりメイクに違和感あり、内容も暗い、ジャッキーらしくないのに成龍拳とは如何に??邦題のつけ方に疑問の残る一品。

劍・花・煙雨江南/To Kill with Intrigue/1977年/台湾・香港/羅維影業公司(ロー・ウェイ・カンパニー)/1984年5月12日東映配給

製作/監督:ロー・ウェイ 製作:スー・リーホワ 脚本:クー・ロン 武術指導:チェン・シンイー

キャスト:ジャッキー・チェン/シュー・フォン/ジュエ・リンロン/シェン・イーロン/ワン・ジュエ/チェン・ウェイロー/ツン・リン

蛇鶴八拳

親友のチェン・チーホワが監督だったため、ジャッキーは役作りやスタントを自由に発揮できる最初の「夢のプロジェクト」と呼んでいるようです。
「酔拳」や「蛇拳」などで人気が出てからの日本公開だったので、最初っから強いジャッキーが新鮮でもあり、物足りなくもあり…。劇場に見に行った時には、それなりに燃えたように記憶しています。

蛇鶴八歩/Snake and Crane Arts of Shaolin/1978年/台湾/羅維影業公司(ロー・ウェイ・カンパニー)/1983年2月19日東映配給

製作総指揮:ロー・ウェイ 製作:スー・リーホワ 監督:チェン・チーホワ 主演/武術指導:ジャッキー・チェン 武術指導:ツー・ウェイホー

キャスト:ノラ・ミャオ/クム・コン/キム・チンラン/リー・ユンクォク/リュー・ヤーイン/リー・マンチン/ミャオ・ティエン

カンニング・モンキー 天中拳

最後まで“虎の巻”を見ながら闘うという、ジャッキーが最初から最後まで半人前であまり強くない主人公という設定が珍しいです。そんな半人前キャラクターが運を頼りに必死で頑張って闘う姿に、見てる側は共感が持てるのかも知れません。すでに他作品でジャッキーが強いことを知っているから安心して見れるのかも知れませんが。
邦題もそうですが、日本公開時には日本の人気番組など時代の流行を意識した適当な字幕がつきました。当時はそんな字幕や邦題が多かったように思います。ただ、日本公開時の主題歌「カンニング・モンキー」はノリが良くて映画を引き立てていました。SHYというミュージシャンでしたが、実は「作詞:タケカワユキヒデ 作曲:ミッキー吉野」で、歌っているのもタケカワユキヒデっぽかったし、曲のアレンジもゴダイゴっぽいです。
ジャッキーはこの映画で、多くのコメディ要素を取り入れようと試みたようです。実際、同時期の他の映画より、かなりコメディ色の強い映画となっています。ジョーク交じりに半人前主人公が奮闘するストーリーもバカバカしいと言えばそうですし、そのためか、ロー・ウェイはこの作品を気に入ってなかったようで、製作後、数年はお蔵入りになっていました。日本で公開されたのもジャッキー人気が高くなってからで「ヤング・マスター/師弟出馬」や「ドラゴンロード」の後。この頃はジャッキー人気も凄かったですが、同時にそれに乗っかった古い作品やB級映画も多かったです。

一招半式闖江湖/Half a Loaf of Kung Fu/1978年/台湾/羅維影業公司(ロー・ウェイ・カンパニー)/1983年8月6日東映配給

製作:ロー・ウェイ/スー・リーホワ 監督:チェン・チーホワ 脚本:タン・ミンチー 主演/武術指導:ジャッキー・チェン

キャスト:キム・チンラン/ジェームズ・ティエン/ディーン・セキ/クム・コン/ロン・チェンアー/リー・マンチン/コー・チャン

ジャッキー・チェンの飛龍神拳(怒りのプロジェクトカンフー/神拳 ヤング・ボディガード)

今でこそ普通になった3D映画の先駆け!?香港初の3D映画だったらしいのですが、もちろん、テレビやビデオでは体験できません。
とんでもない裏切りが印象的ですが、それとともにジャッキーのメイクになじめませんでした。

飛渡捲雲山/Magnificent Bodyguards/1978年/台湾/羅維影業公司(ロー・ウェイ・カンパニー)/日本劇場未公開

製作総指揮:ロー・ウェイ 製作:シュー・リーホァ 監督:ロー・ウェイ 脚本/原案:クー・ルン 撮影:チェン・ロンシュー 音楽:巨人三重唱

キャスト:ジャッキー・チェン/ジェームズ・ティエン/ブルース・リャン/ワン・ピン/鹿村泰祥/コー・チャン/リウ・ミン/リー・マンタイ/ウォン・チーピン/ワン・チン/フォン・チン/ウォン・グワン/ファン・ファン

拳精

ジャッキー映画には珍しい少林寺が舞台。チープな特撮が印象的。私がこの映画を初めて見た時、“拳法の精”がとても妖精に見えなくて、幽霊か妖怪だと思っていました。
ジャッキー自身は気に入っていない映画の1つのようですが、ファンタジックなストーリーが斬新で、厳しいトレーニング・シーンこそは無いですが、弱い主人公が強くなっていく定番の要素が含まれていて、私は意外と好きです。
また、日本公開版の主題歌「チャイナ。ガール」が耳に残る曲で、この映画にマッチしていて良い効果を出していました。
ジャッキーには珍しいトンファーさばきも見られ、この映画でトンファーという武器を知った人も多いのではないでしょうか。
少林寺とSF要素を融合した挑戦的な映画だと思います。きっと今の撮影技術でこの映画をリメイクしたら…面白いかも…?

拳精/Spiritual Kung Fu/1978年/台湾・香港/羅維影業公司(ロー・ウェイ・カンパニー)/1980年6月14日東映配給

製作/監督:ロー・ウェイ 製作:スー・リーホワ/リー・シエンチャン 武術指導/主演:ジャッキー・チェン

キャスト:ジェームズ・ティエン/ディーン・セキ/リー・マンチン/リー・クン/ワン・チン/コー・チャン

龍拳

ロー・ウェイがジャッキー・チェンをブルース・リーのようにしたかったのだという事がうかがえます。ジャッキーのコミカルな魅力は発揮されていませんが、それなりに強くてかっこいいジャッキーが見れるので、これはこれでありだと思います。Amazonの評価が高いのもそういうことだと思います。
ストーリー的には、師匠が殺された成り行きや敵討ちの動機に疑問も残るし、龍拳が怒りのパワーという感じで、ジャッキーの意にも反するところがあると思われますが、そういう映画も1本くらいあってもいいかと思える作品。昔見た時には、“龍拳”といえば「拳精」の五獣拳の龍拳をイメージしていたのに、全然違ってしっくり来なかった記憶があります。

龍拳/Dragon Fist/1978年/台湾/羅維影業公司(ロー・ウェイ・カンパニー)/1982年2月20日東映配給

製作総指揮:ロー・ウェイ 製作:スー・リーホワ 監督:ロー・ウェイ 脚本:ウォン・チュン・ピン 主演/武術指導:ジャッキー・チェン 撮影:チェン・ユン・シュー 音楽:フランキー・チャン

キャスト:ノラ・ミャオ/ジェームズ・ティエン

スネーキー・モンキー 蛇拳

日本公開“拳”シリーズでは第2弾。本作のプロモーションで初来日しました。基本的なストーリーはジャッキー自身によるらしいです。他の2作品「酔拳」「笑拳」と比べると少しシリアスな面もありますが、コミカルなジャッキー・アクションの奔りだと思います。酔拳と同じく師匠のユエン・シャオティエンがいい味を出していて、他の2作品と同じく、師匠によるトレーニングによって弱い主人公が強くなっていくのが最大の魅力。今では日本でもあまりに有名になった蛇の形を取り入れた拳法は、当時は本当に斬新でした。
この映画では、ジャッキーは撮影中に相手の刀で本当に腹部を切られてしまうという事故に遭ったようです。痛がるジャッキーをよそ目にカメラは回り続けたといいます。

蛇形刀手/Snake in The Eagle’s Shadow/The Eagle’s Shadow/Snaky Monkey/1978年/台湾・香港/思遠影業公司(シーゾナル・フィルム)/1979年11月17日東映配給

製作総指揮/脚本:ン・シーユエン 製作:チェン・チュアン 監督:ユエン・ウーピン 脚本:チョイ・カイクォン/ハイ・ワーオン 撮影:チャン・ホイ 美術:ディン・ユエンタイ 音楽:チョウ・フッリョン 衣装:クン・チャンカイ

キャスト:ジャッキー・チェン/ユエン・シャオティエン/ホアン・チョンリー/ディーン・セキ

ドランク・モンキー 酔拳

日本初公開映画。そして大ヒット映画。日本のアニメやゲームなどに多大な影響を与えました。ジャッキーといえば酔拳でしょう。師匠役のユエン・シャオティエンの印象も強いです。今では当たり前?となった酔拳も、初めて日本で公開された時は衝撃的でした。酒を飲めば飲むほど強くなるのですから・・・。
お酒を飲めない年齢の頃から、清涼飲料水片手に酔ったふりをしたり胡桃を割る真似をしたり・・・流行りました。そんな経験を持つ人は多いのではないでしょうか。
それまでのヒーロー像を大きく覆した作品ではないかと思います。完全無欠なイメージのブルース・リーとは違った魅力で、格好悪いことの格好良さ、コミカルな格好良さを痛感した映画でした。ユニークなトレーニング・シーンも話題になりました。弱い主人公が独特のトレーニングを積んで強くなって悪漢を倒す・・・今ではカンフー映画としてありふれたストーリーも、この頃はたまらなくしびれました。もちろん、今見てもしびれるのですが・・・。私も含めて多くの平凡な弱い人々にとって、勇気と希望を与えてくれる最高のヒーローだったと思います。主人公の黄飛鴻は、ジェット・リーの“ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ”シリーズなどでもお馴染みの高名な実在の武術家です。

酔拳/Drunken Master/Drunken Monkey in a Tiger’s Eye/Drunk Monkey/1978年/台湾・香港/思遠影業公司(シーゾナル・フィルム)/1979年7月21日東映配給

製作:ン・シーユエン 監督:ユエン・ウーピン 脚本:シャオ・ロン 撮影:チャン・ハイ

キャスト:ジャッキー・チェン/ホアン・チョンリー/ユエン・シャオティエン/ディーン・セキ

ジャッキー・チェンの必殺鉄指拳(ビッグ・マスター)

「醒拳」同様、他作品のシーンを入れ込んだ「ツギハギ映画」。「タイガー・プロジェクト」からの引用やら、「酔拳」の型シーンもそのまま出てきます。なので、ジャッキーのシーンはこれらの他作品のもので、あとは代役。別映画のシーンを使っているので、画質や遠近感やらが、当然、違和感ありありです。本当の主役とも言える代役さんの顔は映らないアングルになってたり、目隠ししたり…。そこまでしてでもジャッキー作品と名づけると売れた時代だったのかと思います。

刀手怪招/Master with Crack Fingers/1978年/スーン・リー・フィルム/日本劇場未公開

監督:チン・シン 脚本:ユー・ピン 製作総指揮:ラオ・ニー 製作:リー・ロンクァン 撮影:イン・ファトサム/チョン・チーケン 衣装:イン・ダト

キャスト:ジャッキー・チェン/ユエン・シャオティエン/ディーン・セキ/ホン・グウォクチョイ/ユン・ピョウ/チン・ユエサン/ティエン・ファン/クアン・チュン/マー・キムトン/チェン・ハンリー/ガム・グワン

クレイジー・モンキー 笑拳

監督・脚本・主演・武術指導と初の1人4役。劇中の女装などの変相もあわせると、何役こなしているのか…。80年度香港興行成績第1位。ロー・ウェイとの最後の完成映画。
拳法に喜怒哀楽という人間の感情を取り入れた独特のアイデアはコミカルで、かなりインパクトの強いものでした。大笑いしながら闘うのですから。主題歌「クレージー・モンキー」が妙にファンキーでかっこいいですし。
最後の決闘で、倒れていたジャッキーが立ち上がってこの音楽が流れ出し、両手で顔をふさいで京劇張りに笑顔を見せるシーンは鳥肌ものです。また、喜怒哀楽というメリハリがついているので長い決闘シーンも飽きずに見れます。この頃ブームになった純粋なカンフー・アクションものとしては最後の作品とも言えると思います。

笑拳怪招/Fearless Hyena/1979年/台湾・香港/豊年影業公司、羅維影業公司(グッドイヤー・ムービー、ロー・ウェイ・カンパニー)/1980年4月19日東映配給

製作:スー・リーホワ 監督/脚本/武術指導/主演:ジャッキー・チェン

キャスト:ヤン・サイクン/ジェームズ・ティエン/リー・クアン/ディーン・セキ

笑林三十七房(36 Crazy Fists)

僧侶に育てられる孤児の少年が主人公のコメディらしいのですが、根本的にジャッキーは出ていないらしいので要注意!ジャッキーは武術指導担当だったようで、プロデューサーがその様子を盗撮、映画内に挿入して、ジャッキー映画としてリリースしたという、とんでもない映画。この頃はタバコを吸っていたジャッキーの様子が映っているとか…ジャッキー怒りの作品なので、当然、私も見ていません。

The 36 Crazy Fist/1979年/日本未公開

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