「ヤング・マスター/師弟出馬」から脱カンフーが始まった!

ヤングマスター 師弟出馬 おすすめ映画
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ロー・ウェイ社からゴールデン・ハーベスト社に移籍し、これまでのパターン化したカンフー映画から新しいアクション映画への挑戦が始まりました。ここからがジャッキー・チェン映画の真骨頂!!すべてのジャッキー映画はここから始まります!

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ヤング・マスター/師弟出馬

ゴールデン・ハーベスト社での第1回作品。ジャッキーは、監督・脚本・主演・武術指導に加え、日本公開版では主題歌「さすらいのカンフー」(作詞:湯川れい子 作曲:宇崎竜童)も。この後から主題歌を歌うことが多くなりました。
これまでのカンフー映画の名残を残しながらも、新しいアクションを取り入れ、これまでのカンフー映画とは違う独自のスタイルを築きました。そういう意味では、カンフーものとしては最高傑作かも知れないです。椅子を使ったアクションなど、ユンピョウとの競演も見逃せません!
ジャッキー映画の中でも最高、そして香港映画史上に残る名勝負と思われる韓国合気道の使い手ウォン・インシク(ブルース・リーの“ドラゴンへの道”では怪しい日本人役を演じていた-セリフ:お~ま~え~が~タン・ロンかぁ)との決闘は、完全に今までとは違う、型にはまらない体当たり的なスタイルになっています。
また、この頃は斬新だった獅子舞によるアクションや、この作品から始まったツイストを加えた倒れ方(香港スピン)など、随所に新しい試みが見られます。扇子や椅子、キセルなど、今ではジャッキーの代名詞ともなった“身近な小道具を使ったアクション”も、このこの作品くらいからが本格的です。ポパイにヒントを得たかと思われるパワーアップ(酔拳がお酒なら、こちらは水煙草-時代背景的にアヘン)もアイデアが効いてます。

師弟出馬/The Young Master/1980年/香港/ゴールデン・ハーベスト/1981年3月21日東宝東和配給

監督/脚本/武術指導/主演:ジャッキー・チェン 製作:レナード・ホー 脚本:ラウ・ティンチー/トン・ロー/エドワード・タン 音楽:フランキー・チェン

キャスト:シー・キエン/ユン・ピョウ/ティエン・フォン/リリー・リー/ウォン・インシク/ウェイ・ペイ/ジャン・ジン/ポール・ウォン/フェン・メイサン/リー・ホイサン

ドラゴンロード

ジャッキーが初めてこれまでのクンフー映画からの完全な脱却を目指した映画。サッカーやラグビーなどのスポーツ要素やアスレティック要素を取り入れて、これまでの型にはまった舞踊的なカンフー映画から、よりリアルで体当たり感のあるアクションになっています。
製作当初は「ヤング・マスター/師弟出馬」の続編の「恋するヤング・マスター」として製作されていたらしく、ジャッキーは恋をするスポーツ青年、カンフー版スポコン映画といった感じ。ジャッキー映画ではお馴染みのマースが、相棒役として共演。また、ジャッキー映画定番のNGシーンが始まった映画でもあります。
「ヤング・マスター/師弟出馬」に続き、ウォン・インシクとの決闘が見応え充分!この作品から、闘いの中にアスレティックな要素が盛り込まれるようになりました。

龍少爺/Dragon Lord/1982年/台湾/ゴールデン・ハーベスト/1982年4月10日東宝東和配給

監督/脚本/武術指導/主演:ジャッキー・チェン 脚本:バリーウォン/エドワード・タン 武術指導/出演:ブラッキー・フォン/コリー・ユエン 製作:レイモンド・チョウ 撮影:チェン・チンチュー

キャスト:マース/ウォン・インシク/シドニー/チャーリー・チャン/ティエン・フォン/ポール・チャン/チェン・ホン・イップ/チェン・ヨン・ウェン

受賞:香港電影金像奨ベスト・アクション・デザイン候補

プロジェクトA

定番中の定番、言わずと知れたジャッキー映画の代表作!一番の魅力は何より、同じ中国戯劇学院で学んだ、ジャッキー、サモ・ハン、ユンピョウの3人が本格的な共演を果たした映画であることです。興行成績も良かったようで、この3人の共演作は全て大成功を収めました。
高さ20~25mほどもある時計塔からの決死のダイブでは、エンドロールのNGシーンを見れば3回ほど撮りなおしていることが分かります。このスタントはハロルド・ロイドの「要人無用」へのオマージュとして有名。ジャッキーはチャールズ・チャップリン、ハロルド・ロイド、バスター・キートンの「世界の三大喜劇王」に敬意を表していて、彼らへのオマージュは多く、彼らが一流の喜劇俳優だったと同時に一級のアクション俳優だったことが分かります。
ワイヤーで飛び回るアイドルはいても、あんな高さから生身で落下するのは、今後もジャッキー以外には出てこないような気がします。
この頃は、ジャッキーが最も命を懸けていた頃だと思います。自転車でのスタントも有名ですね。これにはコメディ要素も加わって、後のアクション映画に多大な影響を与えたと思われます。その他にも、酒場での乱闘シーンやサモ・ハンとの息の合ったアクションなど、ジャッキー・アクションの集大成です。

A計劃/Project A/1984年/香港/ゴールデン・ハーベスト/1984年2月25日東宝東和配給

監督/脚本/武術指導/主演:ジャッキー・チェン 製作:レナード・ホー 脚本:エドワード・タン 音楽:マイケル・ライ

キャスト:サモ・ハン・キンポー/ユン・ピョウ/イザベラ・ウォン/ディック・ウェイ/ラウ・ハクスン/クワン・ホイサン/ウー・マ/マース/タイポー/リー・ホイサン/ベニー・ライ/ワン・ファー

受賞:港電影金像奨ベスト・アクション・デザイン賞(ジャッキー・チェン・スタントマン・チーム)/香港電影金像奨最優秀男優候補(ジャッキー・チェン)

プロジェクトA2/史上最大の標的

香港政府全面協力により全島が植民地時代のセットに成り代わりました。キャスティングの変更、サモ・ハンやユン・ピョウが共演していないなど、続編ですが前作のイメージはあまり無いです。しかし共演女優陣は豪華で、相変わらずアクションも素晴らしいです。
前作は時計塔からのダイブなど大掛かりな“見せ場”アクションのイメージでしたが、この映画は“小気味良い”小技の連続といった感じ。コメディ要素も多いです。
映画の内容から、邦題の「史上最大の標的」はいただけないですが、革命家・清朝側・英国植民地政策側・海賊と多彩な出演者の絡み合いが印象的です。個人的には中盤のチャーリー・チャンらとの格闘シーンが気に入っています。ラストの壁が倒れてくるスタントは「キートンの蒸気船」へのオマージュ。

A計劃續集/Project A Ⅱ/1987年/香港/ゴールデン・ハーベスト/1987年7月25日東宝東和配給

監督/武術指導/主演:ジャッキー・チェン 製作:レナード・ホー 製作/脚本:エドワード・タン 音楽:マイケル・ライ

キャスト:マギー・チャン/デヴィッド・ラム/ロザムンド・クアン/カリーナ・ラウ/マース/トン・ピョウ/タイ・ポー/レジーナ・ケント/チャーリー・チャン/リッキー・ホイ/イザベラ・ウォン

受賞:香港電影金像奨ベスト・アクション・デザイン賞(ジャッキー・チェン・スタントマン・チーム)/電影金像奨最優秀編集候補(チャン・ユーチュン)

奇蹟/ミラクル

このジャッキー映画は、私にとっては、何度見ても泣ける感動作品です。フランク・キャプラの「一日だけの淑女」「ポケット一杯の幸福」のリメイク作品であり、香港で数々の賞を受賞しているこの映画は、ジャッキー自身最も気にいっている作品です。
アクションだけでなく、しっかりしたストーリーがあり、役者さんの演技も最高です。とくにウー・マさんの表情が格別!ジャッキーと故アニタ・ムイとの初共演作品になり、彼女の歌も堪能できます。彼女が豪華ホテル内を見て回りながら歩くシーンがありますが、1カット長回しで撮ったカメラワークが素晴らしいです。
アクションでは帽子を使った小技がかっこよくてとても印象的です。
6400万HKドルの製作費と9ヶ月もの月日をかけて製作されたゴールデン・ハーベスト社設立20周年記念作品。この映画には根っからの「悪」はいないのです。爽快な気持ちの良い涙が流せる映画です。冒頭にユンピョウがちょこっと出てるのも見逃せない?!

奇蹟/Miracles:Mr.Canton and Lady Rose/1989年/香港/ゴールデン・ハーベスト/1989年8月12日東宝東和配給

監督/脚本/武術指導/主演:ジャッキー・チェン 脚本:エドワード・タン 編集:チョン・イウチョン 美術:エディー・マ 製作:レナード・ホー

キャスト:アニタ・ムイ/グロリア・イップ/グァ・アーレイ/ウー・マ/トン・ピョウ/リチャード・ウン/ビリー・ロウ/ロー・リエ/コー・シュンハン/リッキー・ホイ/ユン・ピョウ

受賞:香港電影金像奨ベスト・アクション・デザイン賞(ジャッキー・チェン・スタントマン・チーム)/香港電影金像奨最優秀男優候補(ジャッキー・チェン)/電影金像奨最優秀編集賞(チャン・ユーチュン)/電影金像奨最優秀美術監督賞(エディー・マ)

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