複数の合計行(中計)にも対応する
画像は同様の表をG列とH列に作ったものです。
10行目と20行目に「合計(中計)」を入れています。現状の計算式では、G列セルに「合計」が入力されている場合には、単純に1行目から合計するようになっているので、20行目の「合計」が総合計となっています。ここを、11行目からの合計値(13行目と19行目の小計の計)にしたいところです。
それで、計算式に次のような考え方を追加します。
- 「合計」行セルであれば、当該セルより上の直近の「合計」行セルから当該セル直上セルまでを集計する。
- 「小計」行セルであれば、当該セルより上の直近の「合計」行セルと「小計」行セルのうち、より直近(下方)にあるセルから当該セル直上セルまでを集計する。
すると以下のような式になります。
EXCEL
=IF(G20="合計",SUBTOTAL(9,INDEX(H:H,LOOKUP(1,0/(G$1:G19="合計"),ROW(H$1:H19))):H19), IF(LOOKUP(1,0/(G$1:G19="合計"),ROW(H$1:H19))>LOOKUP(1,0/(G$1:G19="小計"),ROW(H$1:H19)),SUBTOTAL(9,INDEX(H:H,LOOKUP(1,0/(G$1:G19="合計"),ROW(H$1:H19))):H19),SUBTOTAL(9,INDEX(H:H,LOOKUP(1,0/(G$1:G19="小計"),ROW(H$1:H19))):H19)))
これに、さらに以下のエラー処理を追加します。
- 当該セルより上に「合計」行が無い場合に1行目から集計する。
- 当該セルより上の直近の「合計」行セルと「小計」行セルの位置の比較において、「合計」行セルでエラーになる場合(該当するセルが無い場合)に 0 を返し、「小計」行セルでエラーになる場合(該当するセルが無い場合)に 1 を返して比較を成立させる。
- さらに、当該セルより上に「小計」行セルが無い場合に1行目から集計する。
ISERROR()関数でエラー処理しているので長くなってしまいましたが完成形です。
この式は、セルを小計セルと合計セルにコピペして使うことができます。
EXCEL
=IF(G20="合計",SUBTOTAL(9,IF(ISERROR(INDEX(H:H,LOOKUP(1,0/(G$1:G19="合計"), ROW(H$1:H19)))),H$1,INDEX(H:H,LOOKUP(1,0/(G$1:G19="合計"), ROW(H$1:H19)))):H19),IF(IF(ISERROR(LOOKUP(1,0/(G$1:G19="合計"), ROW(H$1:H19))),0,LOOKUP(1,0/(G$1:G19="合計"), ROW(H$1:H19)))>IF(ISERROR(LOOKUP(1,0/(G$1:G19="小計"), ROW(H$1:H19))),1,LOOKUP(1,0/(G$1:G19="小計"), ROW(H$1:H19))),SUBTOTAL(9,IF(ISERROR(INDEX(H:H,LOOKUP(1,0/(G$1:G19="合計"), ROW(H$1:H19)))),H$1,INDEX(H:H,LOOKUP(1,0/(G$1:G19="合計"), ROW(H$1:H19)))):H19),SUBTOTAL(9,IF(ISERROR(INDEX(H:H,LOOKUP(1,0/(G$1:G19="小計"), ROW(H$1:H19)))),H$1,INDEX(H:H,LOOKUP(1,0/(G$1:G19="小計"),ROW(H$1:H19)))):H19)))
以上、何かのご参考になれば幸いです。
コメント
はじめまして。
複数の小計がある表にこちらの式を利用させてもらっています。
会社のパソコンはセキュリティの関係からか、マクロが利用できないので、この式は大変ありがたいです。
早速ですが質問があります。
参照範囲の最初に行を挿入した場合は大丈夫なのですが、最後に行を挿入した場合はそのセルは集計に含まれません。これは仕様でしょうか。
はじめまして。ありがとうございます。
この例では、各関数の参照範囲外に挿入されると含まれなくなりますね。
そういう場合に対応するには、INDIRECT関数やINDEX関数を使って、常に先頭行から直上セルを参照するように変更する必要があるかと思います。
例えば、
G$1:G19 → INDIRECT(“G$1”):INDEX(G:G,ROW()-1)
H$1:H19 → INDIRECT(“H$1”):INDEX(H:H,ROW()-1)
H$1 → INDIRECT(“H$1”)
といった感じです。
よろしくお願いいたします。