ライジング・ドラゴン
今年、日本公開された「ライジング・ドラゴン」(原題:十二生肖 英題:Chinese Zodiac)を最後に、ジャッキーはスタントマンを使わないアクションを引退すると宣言しました。ファンにとっては寂しいことですが、ジャッキーも人間、ジャッキーより若い自分の体力を考えると納得です。
この「ライジング・ドラゴン」は、1986年に製作された「サンダーアーム/龍兄虎弟(龍兄虎弟/Armour of God)」1990年に製作された「プロジェクト・イーグル(飛鷹計劃/Armour of God Ⅱ)」に次ぐArmour of Godシリーズで、“アジアの鷹”と呼ばれるトレジャー・ハンターが活躍するアクション超大作シリーズ。三作通してのストーリーの関連性はほとんどないですが、ガムの食べ方など、ジャッキーのキャラクターは一貫しています。実は私はこのキャラクターが大好きで、カッコよさではジャッキー映画中No.1だと思っています。
ちなみに私は「ライジング・ドラゴン」を観るために劇場へ2度足を運びました。字幕版と吹き替え版です。これで本格的なノースタントアクションが最後かと思うと、何度でも目に焼き付けておきたい気持ちです。
サンダーアーム/龍兄虎弟
一作目の「サンダーアーム/龍兄虎弟」は、スピルバーグの「レイダース/失われたアーク」への敬意を表し、意識して作られました。当時人気だったポップ・シンガーのアラン・タム、「七福星」などで共演しているのロザムンド・クワン、「スパルタンX」のローラ・フォルネルが出演しています。
龍兄虎弟/Armour of God/1986年/香港/ゴールデン・ハーベスト/1986年8月16日東宝東和配給
製作総指揮:レイモンド・チョウ 監督/主演:ジャッキー・チェン 脚本:バリー・ウォン/エドワード・タン/ロー・キン 撮影:ボブ・トンプソン/ピーター・ニョール 音楽:マイケル・ライ
キャスト:アラン・タム/ロザムンド・クワン/ローラ・フォルネル/ケン・ボイル
受賞:香港電影金像奨ベスト・アクション・デザイン候補(ジャッキー・チェン・スタントマン・チーム)
今では有名な話ですが、ユーゴスラビアロケ中、木へ飛び移るシーンで頭部に穴が開くほどの重症を負い、その穴を隠すために冒頭では短髪だったジャッキーの髪型が仕方なく途中から長髪に変わります。
格闘シーン、気球への落下、カーチェイスなど、どれもノリが良くてかっこいいです。愛車は三菱自動車の特別製。アラン・タムが歌う主題歌「暴風女神LORELEI」のノリもシーンに合ってます。この映画のジャッキーはかっこよくてかなり気に入っています。ガムの食べ方を真似た人も多いのでは。80年代香港興行成績第3位。
プロジェクト・イーグル
アジアの鷹シリーズ二作目は「プロジェクト・イーグル」。サハラ砂漠、モロッコ、フィリピンでロケを敢行。広東からはドゥドゥ・チェン、ヨーロッパからはエヴァ・コーボ、日本からは池田昌子さんが共演。
飛鷹計劃/Armour of God Ⅱ:Operation Conder/Project Eagle/1990年/香港/ゴールデン・ハーベスト/1991年3月9日東宝東和配給
製作総指揮:レイモンド・チョウ/レナード・ホウ 製作:ウィリー・チャン 監督/主演/スタントコーディネーター:ジャッキー・チェン 脚本:エドワード・タン 撮影:アーサー・ウォン 音楽:マイケル・ライ
キャスト:ドゥドゥ・チェン/エバ・コーボ/池田昌子/マーク・エドワード・キング
受賞:香港電影金像奨ベスト・アクション・デザイン候補(ジャッキー・チェン・スタントマン・チーム)
ラストの秘密基地での格闘はワイヤーを巧みに使い、中盤でのバイクでのチェイス・シーンはメチャクチャかっこいい!やっぱりこのシリーズのジャッキーはかっこいい!この映画でもジャッキーは三菱車、パジェロに乗っています。
モロッコでの撮影中に小道具の偽貨幣が持ち出されて、土地の人に本物の貨幣として使われてしまうという事態になり、そのため、プロダクション・マネージャーが偽貨幣を配ったとされて3ヶ月間刑務所に入るという災難に。砂漠での撮影はかなり過酷だったようで、サソリに刺されたりと、撮影班の50人以上が病気になったとか。ロケ地がアジア、アフリカ、ヨーロッパと渡り歩いたため、製作費は当時の香港では最も高額となったらしいです。